【9/4】FRBウォラー理事のハト派発言でドル全面安、AUD・NZDともに上昇し金は4,500ドル接近
本日の材料
本日のオセアニア市場を動かした最大の材料は、FRB(米連邦準備制度理事会)のウォラー理事による発言です。9月の利上げ期待を後退させる発言をしたと伝えられ、市場が織り込む次回FRB利上げ確率は38%まで低下。これを受けてドルが全面安となり、AUD・NZDともに対ドルで上昇する一日となりました。
同時に、円も対ドルで上昇しています。日銀の利上げ観測がなお根強く、ドル円は一時1ヶ月ぶりとなる155円台まで上昇(円高)。米国の金融緩和期待と日本の金融引き締め観測が同時に進行したことで、AUD/JPY・NZD/JPYはドル/円以上に大きく下落しました。豪ドル・NZドルは「対ドルでは上昇、対円では下落」という、方向がねじれた一日だったといえます。
株式市場は総じて堅調でした。米国株の反発を受けてASX200は序盤に押し目からの反発が見込まれ、香港・上海・シンガポール・日本の主要指数も軒並み上昇。VIXも低下し、FRBのハト派傾斜が世界的なリスク資産への安心感につながっています。
為替
- AUD/USD:0.7203(前日比 +0.55%)
- NZD/USD:0.5885(同 +0.58%)
- AUD/JPY:112.58(同 -1.11%)
- NZD/JPY:91.98(同 -1.06%)
- USD/JPY:156.37(同 -1.61%)
- USD/CNY:6.7103(同 -0.13%)
AUD・NZDはそろって対ドルで上昇しましたが、対円では逆に下落しています。ドル安(米金融緩和期待)と円高(日銀引き締め観測)が同時に進行したためで、豪ドル・NZドルの「地力」というより、米・日それぞれの金融政策見通しの変化に振らされた値動きです。ドル円は一時155円台まで円高が進み、7月末の日米協調介入以来の高値圏となっています。
株式
- ASX200(豪):9005.90(-0.16%)
- NZX50(NZ):13974.18(+0.92%)
- 上海総合:3930.12(-0.30%)
- ハンセン指数:25665.35(+1.79%)
- 日経225:65020.94(+1.26%)
- STI(シンガポール・速報値):5808.20(+1.05%)
米国株の堅調な地合いを引き継ぎ、香港・日本・シンガポールが軒並み上昇しました。NZX50も反発。一方でASX200はほぼ横ばいで、資源株・エネルギー株が指数の重荷となった一方、RBAの「タカ派的な様子見(ホーキッシュ・ホールド)」観測が引き続き相場の重石になっています。上海総合はわずかに軟調でした。
コモディティ
- WTI原油:90.80ドル(-0.55%)
- 金:4531.10ドル(+0.88%)
- 鉄鉱石先物:99.42(+1.74%)
- 銅先物:6.68(+1.57%)
金はFRBのハト派傾斜(実質金利低下観測)を受けて上昇し、4,500ドルの節目を明確に上抜けました。中東情勢の緊迫(ホルムズ海峡を巡るLNG輸送の混乱等)も引き続き下支え要因です。鉄鉱石・銅ともに上昇しており、資源国通貨としての豪ドルには本来支援材料ですが、本日は金融政策要因の影響力の方が優っています。原油はやや軟化しました。
リスク指標
- VIX:14.18(-0.98%)
VIXは低下し、市場全体としてはリスクオン的な地合いです。FRBのハト派傾斜を好感した株式市場の反発と整合的な動きであり、前日までの「地政学・インフレ型リスクオフ」からはやや緩和した一日でした。
地政学
- ホルムズ海峡を巡る緊張は継続。湾岸のLNG輸送は、海峡を避けた洋上積み替え(STS方式)に頼らざるを得ず、通常時比わずか3%程度の水準にとどまっているとの報道
- 太平洋諸島フォーラム(PIF)は、中国の核実験(ミサイル発射実験)を非難する形で閉幕
- フランスは、バヌアツが国際司法裁判所(ICJ)への提訴を進める中、太平洋の領有権を巡る立場を維持
- 米国は、イランの結婚式への誤爆疑惑について調査を進めていると発表
中央銀行ウォッチ
- FRB(米連邦準備制度):ウォラー理事の発言を受け、9月利上げ観測が後退(市場織り込みは38%まで低下)。ドル全面安・株高・金高の主因に
- RBA(豪州準備銀行):市場では「ホーキッシュ・ホールド(据え置きだが引き締め姿勢は維持)」との観測が優勢。GDP上振れの余韻が残る一方、豪ドルは政策据え置き観測でやや上昇の勢いを失いつつある
- BOJ(日銀):追加利上げ観測が根強く、ドル円は1ヶ月ぶりの155円台まで円高が進行。円は主要通貨の中でも際立った強さを見せている
- PBOC(中国人民銀行):人民元基準値をやや元高方向に設定し、通貨安定を志向する姿勢を継続
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