豪ドル3か月ぶり高値、RBA利上げ観測とタカ派米雇用統計が交錯する一日
本日の材料
本日の主役は豪ドルです。UBSやNABなど複数の銀行が「9月のRBA利上げ」を予想していると相次いで報じられ、AUD/USDは3か月ぶりの高値を更新しました。RBA利上げ観測の強まりは、これまで数日にわたって続いてきた流れ(GDP上振れ→雇用統計の質的劣化を巡る議論→利上げコンセンサス形成)の到達点といえる動きです。
一方でドル側も、金曜発表の米8月雇用統計(非農業部門雇用者数が市場予想を大きく上回る強い内容)を受けて、FRBの9月利上げ観測が一段と強まりました。金はこれを受けて上値が重くなる場面もありましたが、本日終値ベースでは反発し+1.06%。ウォール街の一部からは「米雇用統計が強くてもFRBがタカ派でも、金は買われる」という強気の声も出ています。
NZドルはこの「米金利上昇+豪ドル独歩高」の板挟みとなり、対ドルでほぼ横ばい(final +0.02%程度)にとどまりました。RBNZの慎重な政策スタンス(コンウェイ氏が「消費者の慎重姿勢が景気回復の主なリスク」と発言)も重荷となっています。
中東情勢では、イランがホルムズ海峡外に新たな「排他的水域(exclusion zone)」を設定する計画を発表するなど、緊張は一段とエスカレート。ホルムズ海峡の通航量は5月以来の低水準まで落ち込んだと報じられています。
為替
- AUD/USD:0.7222(前日比 +0.28%、日中は+0.34%まで上昇し3か月ぶり高値を記録)
- NZD/USD:0.5885(同 -0.01%、ほぼ横ばい)
- AUD/JPY:111.68(同 -0.37%)
- NZD/JPY:90.99(同 -0.67%)
- USD/JPY:154.61(同 -0.67%)
- USD/CNY:6.7103(同 -0.13%)
RBA利上げ観測の強まりを背景に、豪ドルは主要通貨の中で独歩高となりました。対照的にNZドルは方向感を欠く展開で、AUD/NZDは両中銀の政策格差を映す形で豪ドル優位の基調を維持しています。円は日銀の利上げ観測が根強く、ドル・豪ドル・NZドルいずれに対しても底堅く推移しました。
株式
- ASX200(豪):9010.90(+0.06%)
- NZX50(NZ):13942.83(-0.22%)
- 上海総合:3932.70(+0.07%)
- ハンセン指数:25414.82(-0.92%)
- 日経225:66399.84(+2.12%)
- STI(シンガポール・確定値):5794.94(-0.12%)
日経225の大幅上昇が際立ちました。ASX200はエネルギー株が中東情勢による原油高の恩恵を受けた一方、テクノロジー株の下落と相殺し、ほぼ横ばいで着地。NZX50はFRBの利上げ観測強まりを受けて、金利敏感株が売られ小幅安となりました。
コモディティ
- WTI原油:91.48ドル(前日比横ばい)
- 金:4476.60ドル(+1.06%)
- 鉄鉱石先物:99.57(+0.15%、日中は節目の100ドルを回復する場面も)
- 銅先物:6.68(+1.30%)
鉄鉱石は、ポジション調整(ショートカバー)と中国の買い期待から100ドルの大台を回復する場面がありました。金は米雇用統計というタカ派材料にもかかわらず上昇しており、中東情勢による質への逃避需要が金利観測を上回った形です。
リスク指標
- VIX:15.01(+3.30%)
VIXは大きめの上昇となりました。中東情勢のエスカレーション(ホルムズ海峡の排他的水域設定)と、強い米雇用統計を受けたFRB利上げ観測の高まりが同時に進行したことで、市場全体の警戒感がやや強まっています。
地政学
- イランが、ホルムズ海峡外に新たな「排他的水域」を設定する計画を発表。通航船舶への攻撃も続いており、緊張は一段と拡大
- ホルムズ海峡の通航量は、5月以来の最低水準まで落ち込んだと報じられる
- LNG価格は、ホルムズ海峡の混乱継続と中国の国内ガス生産減少見通しを受けて、さらなる上昇が見込まれるとの分析
- 中国が台湾周辺での哨戒活動を強化しているとの報道が継続
中央銀行ウォッチ
- RBA(豪州準備銀行):UBS・NABなど複数の銀行が9月の利上げを予想していると報じられ、市場コンセンサスとして定着しつつある。豪ドルは「タカ派RBA期待」を主因に3か月ぶり高値を更新
- FRB(米連邦準備制度):8月雇用統計の強い内容を受け、9月利上げの織り込みが一段と強まる。ただしドル自体は雇用統計後の上昇分をやや失う展開で、「タカ派材料でもドルが素直に買われない」ねじれも見られる
- RBNZ(NZ準備銀行):チーフエコノミストのコンウェイ氏が「消費者の慎重姿勢が景気回復の主なリスク」と発言し、政策スタンスの慎重さを改めて印象付けた
- BOJ(日銀):タカ派委員(高田氏・田村氏、いずれも任期は2027年7月まで)が追加利上げを求める発言を続けており、円全体の底堅さの一因となっている
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