【9/9】オセアニア市場デイリーレポート

グローバルマクロ分析

【9/9】RBA「利上げ確信」ムード最高潮、豪ドルは足踏みもNZドルは13年ぶり安値圏に沈む

本日の材料

本日のオセアニア市場最大の話題は、RBA(豪州準備銀行)利上げの「確信」化です。「RBA chooses recession」「Fourth rate rise looms」「RBA tipped to lift rates to 15-year high」といった強い見出しが相次ぎ、マッコーリーを含む主要銀行が9月の利上げを予想。エコノミストからは「連続利上げ」への警告まで出るほど、利上げそのものへの疑いはほぼ消えた状態です。

豪ドルはこの流れを受けて、ユーロに対して2024年以来の強さを記録する場面もありました。ただし終値ベースのAUD/USDは前日比+0.02%とほぼ変わらずで、「blistering rally(猛烈な上昇)の後の一服」と表現される展開に。急ピッチで進んだ利上げ期待の織り込みが一段落した格好です。

対照的にNZドルは「13年ぶり安値を試す」との報道が出るほど弱含みました。RBAの利上げ確信ムードとRBNZの慎重姿勢の対比が、AUD/NZDの上昇圧力(本日も+0.66%の差でAUDが優位)を継続させています。

中東情勢は新たな段階へ。米軍がイランの石油タンカー5隻を破壊したとされる報道を受け、イランはヨルダンの米軍基地とホルムズ海峡付近の船舶に対してミサイル攻撃を実施したと報じられています。原油は100ドルの節目に接近する場面がありましたが、終値では94ドル台にとどまりました。

為替

  • AUD/USD:0.7222(前日比 +0.02%)
  • NZD/USD:0.5846(同 -0.63%)
  • AUD/JPY:110.85(同 -0.22%)
  • NZD/JPY:89.72(同 -0.86%)
  • USD/JPY:153.43(同 -0.28%)
  • USD/CNY:6.7073(同 -0.05%)

AUDがNZDをアウトパフォームする流れが続いており、AUD/NZDは上昇トレンドを維持しています。ただしAUD/USD自体は、これまでの急ピッチな上昇(RBA利上げ観測の織り込み)が一服し、伸び悩みとなりました。円は対ドル・対豪ドルでは小幅高、対NZドルでは大幅高となり、通貨の強弱は明確に「NZドルが最弱」という構図です。

株式

  • ASX200(豪):8911.40(-0.11%)
  • NZX50(NZ):13819.43(+0.19%)
  • 上海総合:3951.51(+0.28%)
  • ハンセン指数:25255.42(-0.24%)
  • 日経225:65142.78(-0.19%)
  • STI(シンガポール・確定値):5733.11(-0.60%)

ASX200は、原油高による銀行株・金利敏感株への懸念が重荷となり小幅安。NZX50は逆に小幅高となりました。上海総合は、後述する中国のインフレ指標の上振れを消化しつつプラス圏を維持しています。

コモディティ

  • WTI原油:94.43ドル(+1.50%)
  • 金:4454.30ドル(+1.37%)
  • 鉄鉱石先物:100.02(+0.45%、100ドルの大台を回復)
  • 銅先物:6.79(+0.74%)

金は、FRBの利上げ観測が高まる中でも上昇しました。中東情勢の緊迫化による質への逃避需要が、金利要因を上回っている状態です。鉄鉱石は100ドルの節目を回復しましたが、フレート調整後の実質価格ではまだ本格的な回復には至っていないとの分析も出ています。

リスク指標

  • VIX:15.68(-0.25%)

VIXはわずかに低下し、前日までの急上昇から一段落しました。中東情勢は緊迫化を続けていますが、市場の警戒感自体はいったん落ち着きを見せています。

地政学

  • 米軍がイランの石油タンカー5隻を破壊したと報じられる中、イランはヨルダンの米軍基地とホルムズ海峡付近の船舶にミサイル攻撃を実施したと発表
  • 米国は、イランの航空会社(マハン航空等)を対象とした新たな制裁を発表し、経済圧力を一段と強化
  • 一方で、カタール産LNGがホルムズ海峡を通過する動きも報じられ、封鎖が完全ではないことを示す材料も混在
  • 豪州では、AUKUS潜水艦計画への米国のコミットメントを疑問視する声がクラウドファンディングによる調査で表面化。トランプ政権は豪州の「デジタル・デューティー・オブ・ケア」法案を「たかり(extortion)」と批判

中央銀行ウォッチ

  • RBA(豪州準備銀行):複数の高官が引き締め姿勢を明確化し、9月利上げはほぼ既定路線に。マッコーリーを含む主要銀行が利上げを予想し、一部からは「連続利上げ」への警告も
  • RBNZ(NZ準備銀行):明確な新規発言はなかったが、RBAとの政策スタンスの対比がNZドル安の背景として意識されている
  • PBOC(中国人民銀行):8月のCPI・PPIがそろって市場予想を上振れ、エネルギー価格上昇がインフレを押し上げた。人民元は輸出・インフレ両指標の強さを受けて3年半ぶりの高値圏を維持
  • FRB(米連邦準備制度):来週のFOMCに向け、利上げ観測はなお高水準で推移。原油高がCPIを押し上げるとの警戒も強まっている

免責事項

本レポートは情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。


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