【9/8】中東の攻撃応酬でWTI原油+3.2%急騰、NZドル全面安・株安・円全面高のリスクオフ
本日の材料
週末にかけて中東情勢が新たな段階に入りました。イラン支援下にあるフーシ派がサウジアラビアのエネルギー施設を攻撃し、複数の負傷者と操業停止が発生。さらに米国・イラン間でも週末を通じた応酬が続き、ホルムズ海峡の緊張が一段と高まっています。これを受けてWTI原油は前日比+3.17%の急騰となり、6週間ぶりの高値圏まで上昇しました。
この原油急騰を主因に、本日は典型的な「地政学型リスクオフ」の一日となりました。オセアニア株式市場・アジア株式市場は軒並み下落し、円は全面高、VIXも大きく上昇しています。NZドルは「broadly weaker(全面安)」という市況コメントの通り、対ドル・対円ともに大きく売られました。一方、豪ドルは対ドルでわずかに上昇しており、NZドルとの明暗が際立つ一日でした。
もう一つの注目材料は銅の急騰(+2.74%、史上最高値更新)です。関税を巡る混乱が背景とされており、世界景気への期待というよりは、供給網の分断リスクを織り込む動きに近いとみられます。
為替
- AUD/USD:0.7213(前日比 +0.09%)
- NZD/USD:0.5845(同 -0.65%)
- AUD/JPY:111.03(同 -1.36%)
- NZD/JPY:89.99(同 -2.05%)
- USD/JPY:154.03(同 -1.39%)
- USD/CNY:6.7104(同 -0.01%)
AUDがNZDをアウトパフォームした差は+0.72%に達し、AUD/NZDには明確な上昇圧力がかかっています。RBA高官(ハンター氏)が「住宅市場・成長の意図的な冷却」に言及するなど利上げ路線を裏付ける発言を続ける一方、NZドルはRBNZの慎重な政策スタンスへの懸念に加え、リスクオフ局面での資金逃避先として選ばれにくい高ベータ通貨としての性格が重荷になっています。円は、テクニカルな節目を突破したとの分析もあり、全通貨に対して大幅高となりました。
株式
- ASX200(豪):8920.80(-1.00%)
- NZX50(NZ):13792.90(-1.08%)
- 上海総合:3940.55(+0.20%)
- ハンセン指数:25315.70(-0.38%)
- 日経225:65269.33(-1.70%)
- STI(シンガポール・確定値):5764.79(-0.47%)
原油高を受けて、銀行株の弱さも重なりASX200・NZX50はともに1%前後の下落となりました。日経225も大きく下落しており、円高とエネルギーコスト上昇の両方が重荷となっています。上海総合のみプラス圏を維持しており、中国国内要因(貿易統計の上振れ等)が下支えとなった可能性があります。
コモディティ
- WTI原油:94.38ドル(+3.17%)
- 金:4438.90ドル(+0.21%)
- 鉄鉱石先物:99.57(+0.15%)
- 銅先物:6.78(+2.74%、史上最高値)
原油の急騰が本日の最大の値動きです。サウジのエネルギー施設への攻撃という、これまでのホルムズ海峡封鎖の話とは別の供給不安材料が加わったことで、地政学リスクプレミアムが一段と積み上がりました。金はPBOC(中国人民銀行)が8月に65万オンスという約3年ぶりの大規模な金購入を行ったと報じられたにもかかわらず、上昇は小幅にとどまっています。
リスク指標
- VIX:15.83(+3.46%)
VIXは3日連続で上昇しており、地政学リスクへの警戒が着実に積み上がっています。株安・円高・原油高・銅高という組み合わせは、単なる一時的なニュース反応ではなく、構造的なリスク回避モードへの移行を示唆している可能性があります。
地政学
- フーシ派(イラン支援組織)が、サウジアラビアのエネルギー施設を攻撃。複数の負傷者と操業停止が発生
- 米国・イラン間の応酬が週末を通じて継続。ホルムズ海峡の通航量は、米・イラン双方の攻撃を受けて減速していると報道
- カタール産LNGを積んだタンカーが、ホルムズ海峡からの脱出を試みる「異例の動き」を見せたとの報道もあり、商船側の警戒感の強さがうかがえる
- 豪州では、与党系の草の根団体が「米国の”戦争マシン”との関係を断つべき」と主張する動きも報じられており、対米関係を巡る国内議論に一石を投じている
中央銀行ウォッチ
- RBA(豪州準備銀行):ハンター氏が「住宅市場と成長の意図的な冷却」に言及し、引き締め路線を改めて印象付けた。一方で消費者・企業マインドはRBA利上げ観測の高まり自体によって既に下押しされ始めているとの分析も
- RBNZ(NZ準備銀行):慎重な政策スタンスへの懸念が引き続きNZドルの重荷に。肥料コストの上昇が食品価格を押し上げるとの警告も理事会メンバーから出ている
- PBOC(中国人民銀行):8月の金購入量が65万オンスと、約3年ぶりの大幅増加。人民元基準値はやや元高方向
- FRB(米連邦準備制度):9月利上げの市場織り込みは60%程度で高止まり。来週の米CPI発表が次の焦点
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