8月31日のオセアニア市場まとめ|FRB高官のタカ派発言でドル全面高、原油はイラン情勢で急伸

グローバルマクロ分析

本日の材料

本日の市場は、複数の材料が同時に交錯する展開となりました。最大の要因は、ジャクソンホール会議でのウォーシュFRB議長のタカ派的な発言です。これを受けて米短期国債利回りが急上昇し、9月FOMCでの利上げ確率は約60%まで上昇。ドルが全面高となり、オセアニア通貨は対ドルでそろって下落しました。

一方でオセアニア通貨には、下支え材料も並行して存在しています。ニュージーランドでは、ASB・BNZ・Westpacといった主要銀行のエコノミストが「今週のRBNZ会合での利上げ」でほぼ見解が一致しており、利上げ観測そのものは根強く残っています。また豪ドルについては、中国の製造業PMIが市場予想より強めの結果となったことが下支え材料として報じられており、「RBA対FRBの綱引き」という構図が続いています。

さらに中東情勢が急展開しました。米軍がイランのロケット発射拠点を数週間ぶりに攻撃し、これに対するイラン側の報復も伝えられています。この地政学リスクの再燃を受けて、WTI原油は本日大きく買われました。

為替:ドル全面高もオセアニア通貨には下支えも

  • AUD/USD: 0.7162(-0.46%)
  • NZD/USD: 0.5918(-0.62%)
  • AUD/JPY: 114.3430(-0.24%)
  • NZD/JPY: 94.4760(-0.39%)
  • USD/JPY: 159.7070(+0.24%)
  • USD/CNY: 6.7189(-0.05%)

FRBのタカ派姿勢を受けたドル高が主因で、オセアニア通貨は対ドルで軟化しました。ただし下落幅はNZDの方がAUDよりやや大きく、これは「RBAとFRBの綱引き」で豪ドルに強めの下支え(中国PMI良好)があった一方、NZDは対ドルでのドル高影響をより素直に受けた形と整理できます。円全体も対ドルで弱含んでおり、オセアニア通貨は対円ではAUD/NZDともに下落しています。

株式:アジア株はおおむね堅調

  • ASX200(豪): 9076.00(+0.42%)
  • NZX50(NZ): 13917.30(+0.27%)
  • 日経225: 66311.93(+0.27%)
  • 上海総合: 3986.30(+0.75%)
  • ハンセン指数: 25566.99(横ばい)
  • STI(シンガポール、確定値): 5739.15(+0.97%)

為替市場でのドル高・リスク再燃とは対照的に、アジア株はおおむね堅調に推移しました。豪州では銀行株が資源・ハイテク株の下落分を吸収する形で相場を支えたと報じられています。中国株の上昇も、PMI改善を好感した動きとみられます。

コモディティ:原油が地政学プレミアムで急伸

  • WTI原油: 86.26(+3.43%)
  • 銅先物: 6.668(+1.62%)
  • 金(XAU/USD): 4489.10(+0.25%)
  • 鉄鉱石先物: 95.84(+0.17%)

本日最大の値動きはWTI原油の+3.43%です。米軍によるイラン拠点への攻撃とそれに対する報復の応酬が伝えられたことで、供給リスクプレミアムが一気に織り込まれました。金は、金利上昇(ドル高・利上げ観測)という下押し材料と、地政学リスクの高まりという押し上げ材料が綱引きする形となり、結果として小幅な上昇にとどまっています。

リスク指標

  • VIX: 15.21(+4.82%)

株式市場自体は底堅かったものの、VIXは上昇しました。為替・コモディティ市場に表れた地政学・金融政策の両面での緊張の高まりが、株式のボラティリティ指標にも波及した形です。

地政学・その他材料

  • イラン・ホルムズ海峡情勢:米軍によるイランのロケット発射拠点への攻撃と、それに対する報復が報じられました。開戦から半年以上が経過する中、緊張の再燃はエネルギー市場への影響として直接的に表れています。
  • 太平洋島嶼国フォーラム(PIF):パラオでの首脳会議を巡り、複数の首脳の欠席に加え、中国が渡航勧告を通じてパラオへの揺さぶりを図っているとの指摘が米国・台湾側から出ています。地域内の勢力図を巡る綱引きが続いています。

中央銀行ウォッチ

今週最大の焦点は、水曜日に予定されるRBNZ会合です。主要行のエコノミストの見方はほぼ「利上げ」で一致していますが、ジャクソンホール後のFRBのタカ派姿勢を踏まえると、声明文の文言次第でNZドルのボラティリティが高まる可能性があります。豪州側も、GDP統計の発表を控えており、RBAの今後の判断材料として注目されます。米国では9月FOMCでの利上げ確率が60%まで上昇しており、オセアニア通貨は自国の金融政策と米国の金融政策、両方のシグナルに引き続き左右される展開が続きそうです。


免責事項:本記事は情報提供および分析プロセスの共有を目的としたものであり、特定の通貨・金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断は、ご自身の責任において行ってください。


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