【9/16】オセアニア市場デイリーレポート

グローバルマクロ分析

【9/16】FOMC決定を控え原油ショックが一服、NZドルはTWI2020年3月以来の安値に沈む

本日の材料

本日はFRBの政策金利決定(FOMC)を控えた「様子見」の一日となりました。市場は2023年以来となる米国の利上げを織り込んでおり、米10年債利回りは19年ぶりの高水準まで上昇。世界的な国債利回りの上昇(ボンドセルオフ)が続く中、原油はここ数週間の急騰から一服し、WTIは前日比-1.08%とやや軟化しました。ただし水準自体は104ドル台と、依然として高止まりしています。

原油市場の構造的な問題も深刻化しています。サウジアラビアが主要パイプラインへの攻撃を受けて一部の原油カーゴをキャンセルしたと報じられ、ホルムズ海峡の通航量は「一桁台(single digits)」にとどまっているとの分析も出ています。原油種別間の価格差(グレード間スプレッド)も40ドル超に拡大しており、単なる価格上昇ではなく、供給網そのものの機能不全が進んでいることを示唆しています。

オセアニア通貨では、NZドルが際立って弱い一日となりました。NZの貿易加重指数(TWI)は2020年3月以来の安値を記録し、インフレ圧力の上振れ要因として意識されています。RBNZのシルク副総裁が12月に退任するとの発表も、政策の先行き不透明感としてNZドル売りの一因になったとみられます。

為替

  • AUD/USD:0.7134(前日比 -0.06%)
  • NZD/USD:0.5756(同 -0.40%)
  • AUD/JPY:110.53(同 +0.32%)
  • NZD/JPY:89.19(同 -0.01%)
  • USD/JPY:155.06(同 +0.44%)
  • USD/CNY:6.7067(同 -0.02%)

NZドルは対ドル・対円ともに軟調で、オセアニア通貨の中で最弱でした。豪ドルはNZドルほどではないものの、FOMCを控えて方向感の乏しい展開に。円は日銀の利上げ観測(31年ぶり高水準への引き上げ観測)にもかかわらず、米金利上昇の勢いに押される形でやや軟化しました。

株式

  • ASX200(豪):8696.50(+0.28%)
  • NZX50(NZ):13622.72(+0.35%)
  • 上海総合:3891.60(+0.71%)
  • ハンセン指数:24708.40(+0.17%)
  • 日経225:63923.00(+0.69%)
  • STI(シンガポール・確定値):5638.40(横ばい)

原油価格の上昇が一服したことを好感し、アジア太平洋の主要株式市場は軒並み反発しました。ASX200も、これまでの資源高・金利上昇観測による重石がやや和らぎ、プラス圏で終えています。ただし、これはFOMC結果を前にした一時的な安堵感である可能性が高く、方向性の確認にはもう少し時間が必要です。

コモディティ

  • WTI原油:104.69ドル(-1.08%)
  • 金:4364.60ドル(+0.73%)
  • 鉄鉱石先物:97.41(-0.14%)
  • 銅先物:6.48(+1.78%)

原油は高値圏からの調整となりましたが、依然として100ドルを大きく上回る水準です。中国人民銀行が「不利な鉄鉱石価格」に懸念を表明したと報じられており、資源国通貨としての豪ドルへの影響を注視する必要があります。銅は大きく上昇しており、供給不安と実需の両面から底堅さを維持しています。

リスク指標

  • VIX:17.01(-1.10%)

VIXはやや低下しましたが、17台という水準自体は、これまでの推移と比べてなお高めです。FOMC結果発表後に、あらためて大きく動く可能性を市場は警戒しています。

地政学

  • サウジアラビアが、パイプラインへの攻撃を受けて一部の原油カーゴをキャンセル。主要な買い手は代替調達先を模索していると報道
  • ホルムズ海峡の通航量は依然として「一桁台」にとどまり、原油のグレード間スプレッドは40ドル超まで拡大
  • サウジ主導の連合軍が、メッカ付近を標的としたとされるフーシ派のドローンを撃墜したと発表
  • 米軍が、イラン沖で無人ドローン船を奪取しようとした小型艇2隻を撃破したと発表

中央銀行ウォッチ

  • FRB(米連邦準備制度):本日のFOMCで、2023年以来となる利上げが決定される見通し。ウォーシュ議長にとって「悪夢のような」会合になるとの評もあり、市場の関心が最も集中している
  • RBA(豪州準備銀行):ウエストパック景気先行指数はやや軟調ながらもトレンドに近づいており、「RBAはタカ派姿勢を維持」との分析が継続
  • RBNZ(NZ準備銀行):シルク副総裁が12月に退任する意向を表明。NZのTWIが2020年3月以来の安値を記録しており、インフレ圧力の上振れが意識される
  • BOJ(日銀):31年ぶりの高水準まで利上げするとの観測が強まっており、長期金利の上昇に対する市場の懸念も高まっている
  • PBOC(中国人民銀行):パン総裁が「融資成長率の鈍化は経済の質的向上を反映したもの」と説明し、量的な貸出目標から金利ツールへの政策シフトを示唆

免責事項

本レポートは情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。


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